脳疲労とは?東洋医学から考える原因と今日からできる改善法
頭を休ませるだけでは改善しない理由と養生法
「しっかり寝ているのに疲れが取れない」
「集中力が続かない」
「何をするにもやる気が出ない」
このような状態を、最近では「脳疲労」と呼ぶことがあります。
スマートフォンやパソコンが欠かせない現代では、私たちは毎日膨大な情報に触れています。仕事や家事、人間関係のことを考え続けることで、頭は休まる暇がありません。
東洋医学には「脳疲労」という言葉はありません。しかし、脳の働きを支える体の状態については古くから考えられてきました。
今回は東洋医学の視点から脳疲労を考え、日常でできる対策についてご紹介します。
脳疲労とは何でしょうか?
一般的に脳疲労とは、脳が情報処理を続けることで集中力や判断力が低下し、心身にさまざまな不調が現れている状態を指します。
例えば、
- 集中力が続かない
- ぼーっとする
- やる気が出ない
- イライラしやすい
- 物忘れが増えた
- 眠っても疲れが取れない
- 頭が重い
このような症状がみられます。
現代医学では、自律神経の乱れやストレス、睡眠不足、情報過多などが関係すると考えられています。
東洋医学では「脳を支える五臓の疲れ」と考える
東洋医学では、脳だけが単独で疲れるとは考えません。
脳の働きを支えている五臓(肝・心・脾・肺・腎)のバランスが崩れることで、結果として頭が働きにくくなると考えます。
つまり、「脳が疲れている」のではなく、「脳を支える五臓が疲れている状態」と捉えることができます。
今回は特に脳疲労との関わりが深い「脾」と「肝」を中心に見ていきましょう。

特に関係が深いのは「脾」
東洋医学には「思えば脾を傷る」という言葉があります。
考えすぎや悩みすぎによって脾が弱るという意味です。
脾は消化吸収だけでなく、
- 思考力
- 集中力
- 学習能力
とも関係しています。
そのため、
- 常に仕事のことを考えている
- 情報を調べ続けている
- 悩み事が頭から離れない
という状態が続くと、脾の働きが低下しやすくなります。
ストレスによる「肝」の疲れも関係する
脳疲労を感じている方の多くは、ストレスも抱えています。
東洋医学でストレスと深く関係するのが「肝」です。
肝の働きが滞ると、
- イライラする
- 気分が晴れない
- 決断力が低下する
- 緊張しやすい
といった状態になりやすくなります。
現代人の脳疲労は、脾だけでなく肝の疲れも同時に起きていることが少なくありません。
鍼灸ではどのように脳疲労に対応するのか
脳疲労という言葉を聞くと、「頭が疲れているのだから頭を何とかしなければ」と考えがちです。
しかし東洋医学では、脳だけを切り離して考えることはありません。
脳の働きを支える五臓のバランスが乱れることで、集中力の低下や疲労感、睡眠の質の低下などが現れると考えます。
そのため鍼灸では、
- 睡眠の質が低下していないか
- 消化吸収の働きが弱っていないか
- ストレスが溜まっていないか
- 疲労が蓄積していないか
などを確認しながら、全身の状態を整えていきます。
一見すると同じ「脳疲労」に見えても、その背景はさまざま。
東洋医学では、その人の体質や状態を確認しながら施術方針を考えていきます。
また、脳疲労の改善には施術だけでなく、睡眠や食事、運動などの日々の養生も欠かせません。
当院では施術と養生の両面からサポートし、心身が本来の働きを取り戻せるようお手伝いしています。
今すぐ実践できる脳疲労対策
脳疲労は「頭だけの問題」ではありません。
東洋医学では、脳を支える五臓の働きを整えることが大切だと考えます。
特別なことをする必要はありません。まずは日常生活の中で取り入れやすい養生から始めてみましょう。
① 情報を減らす
脳疲労の改善で最も重要なのは、脳に入る情報量を減らすことです。
私たちは「休憩しているつもり」でも、
- SNSを見る
- 動画を見る
- ニュースを見る
など、脳は情報処理を続けています。
東洋医学でいう「思」を減らすためにも、
- 通知を減らす
- スマホを見ない時間を作る
- 何も考えない時間を作る
ことが大切です。

② よく噛んで食べる
脾を養うためには食事も重要です。
忙しい時ほど、
- 早食い
- ながら食べ
- スマホを見ながらの食事
になりがちです。
しかし脾を休ませるためには、
- 温かい食事を摂る
- よく噛む
- 食事に集中する
ことが大切です。
東洋医学では脾が元気になると、気血が作られやすくなり、心身の疲労回復にもつながると考えます。
③ 散歩をする
脳疲労には軽い運動もおすすめです。
特に散歩は、
- 血流を促す
- 気分転換になる
- 自律神経を整える
- 肝の気の巡りを良くする
というメリットがあります。
東洋医学では「気が巡る」と考えますが、現代医学でも運動によるストレス軽減効果が知られています。
疲れているときほど、短時間でも外を歩く習慣を作ると良いでしょう。
④ 深呼吸を意識する
集中しているときやストレスが強いときは、呼吸が浅くなりがちです。
呼吸を司るのは東洋医学では「肺」です。
ゆっくり深呼吸を行うことで、
- 気持ちが落ち着く
- 緊張が和らぐ
- 気の巡りが良くなる
と考えられています。
1日に数回でも構いません。
背筋を伸ばして、ゆっくり鼻から吸い、ゆっくり吐く時間を作ってみましょう。
⑤ 睡眠を最優先にする
どんな養生よりも大切なのが睡眠です。
東洋医学では、睡眠中に気血が補われると考えます。
睡眠不足が続くと、
- 脾が弱る
- 心が休まらない
- 肝の働きが乱れる
- 腎の精が消耗する
など、五臓全体に影響が及びます。
脳疲労を感じるときは、「あと少し頑張ろう」ではなく、「まずはしっかり休もう」という考え方が大切です。

脳疲労は五臓からのサインかもしれません
東洋医学では、脳疲労は単に頭だけの問題ではありません。
考えすぎによって脾が疲れ、ストレスによって肝が滞り、睡眠不足によって心や腎も消耗していきます。
つまり、「脳が疲れている」のではなく、「脳を支える五臓が疲れている状態」とも言えるでしょう。
もし最近、
- 集中できない
- 何となく疲れている
- 頭がスッキリしない
- 寝ても回復しない
という状態が続いている場合は、頭だけでなく体全体を整えることが大切です。
頑張り続ける前に、一度立ち止まって体の状態を見直してみましょう。
情報を減らし、よく食べ、よく眠り、適度に体を動かす。
そんな基本的な養生こそが、脳疲労改善への近道なのかもしれません。
五臓、それぞれの詳細は
こちらから
最近、イライラしやすい/ため息が多い/目が疲れやすい
動悸・不安感・眠りが浅い・考えすぎて疲れる
食後に眠くなる/胃もたれ/だるさが抜けない
風邪をひきやすい/皮膚トラブル/呼吸が浅い
冷え・むくみ・疲れが取れない/年齢とともに不調が増えた

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