秋分の日は体の切り替えポイント?自律神経の乱れと東洋医学でみる季節の変化
はじめに
「最近なんだか眠い」
「朝から体が重くてやる気が出ない」
「気分が落ち込みやすい」
そんな不調を感じている方はいませんか?
実は、秋分の日の前後は体調を崩しやすい時期のひとつです。
秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。単なる暦の上の節目と思われがちですが、自然界では大きな変化が起こっています。
東洋医学では「陰陽の切り替わりのタイミング」と考えられており、現代医学の視点から見ても、自律神経や睡眠、気分に影響を与える季節の変化が起こる時期です。
今回は、秋分の日を境に疲れやすくなる理由を、科学的な視点と東洋医学的な視点の両方から解説していきます。
秋分の日とはどんな日?
秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈む頃で、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
春分の日と並び、一年の中でも自然界のバランスが大きく変化する節目です。
しかし、秋分の日を過ぎると実際には夜の時間が徐々に長くなり、日照時間は短くなっていきます。
夏の強い日差しや暑さが少しずつ和らぎ、自然界全体が「活動の季節」から「休息の季節」へ移行していく時期とも言えます。
私たちの体も自然の一部です。
そのため、この変化に適応しようとして様々な反応が起こります。
秋分の日の頃に増える不調
当院でも秋になると次のようなご相談が増える傾向があります。
これらの症状は、近年「秋バテ」と呼ばれることもあります。
眠気が強い
朝起きられない、日中も眠い、休日に長時間寝てしまうなどの症状です。
体がだるい
十分休んでいるはずなのに疲れが取れず、体が重く感じます。
やる気が出ない
仕事や家事への意欲が低下し、集中力が続かなくなります。
気分が落ち込みやすい
理由はないのに不安感が強くなったり、気持ちが沈みやすくなったりします。
これらは決して気のせいではありません。
体が季節の変化に適応しようとしているサインとも考えられます。
科学的にみる秋分の日と自律神経の関係
日照時間の変化が脳に影響する
私たちの体内時計は、太陽の光によって調整されています。
朝日を浴びることで脳は「朝だ」と認識し、活動モードへ切り替わります。
しかし秋分の日を過ぎると、徐々に日照時間が短くなります。
すると脳内では次のような変化が起こります。
- セロトニンの分泌が低下しやすくなる
- メラトニンの分泌時間が長くなる
- 体内時計の調整に時間がかかる
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分や意欲、睡眠リズムの調整に関わっています。
一方、メラトニンは睡眠を促すホルモンです。
日照時間が短くなることで、このバランスが変化し、
- 眠気
- だるさ
- 集中力低下
- 気分の落ち込み
などが起こりやすくなると考えられています。
寒暖差による自律神経の負担
秋は日中と朝晩の気温差が大きくなる季節でもあります。
暑い日が続いたかと思えば急に涼しくなることも少なくありません。
自律神経は体温を一定に保つために働いています。
そのため寒暖差が大きいほど調整作業が増え、疲労しやすくなります。
いわゆる「季節の変わり目に体調を崩す」という現象は、自律神経の負担が関係していることも多いのです。
東洋医学でみる秋分の日
「陽」から「陰」への切り替え
東洋医学では、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」に分けて考えます。

簡単に言えば、
- 陽=活動、熱、昼、外向き
- 陰=休息、冷え、夜、内向き
というイメージです。
夏は一年の中で最も「陽」が強い季節です。
一方、秋分の日を境に自然界は少しずつ「陰」が優勢になります。
つまり、活動する季節から休む季節への転換点が秋分の日なのです。
陰陽の切り替えに体が追いつかない
問題は、体の変化が自然界の変化に追いつかないことです。
例えば、
- 夏の疲れが残っている
- 冷たい飲食が続いている
- 睡眠不足が続いている
- ストレスが多い
このような状態では、体が季節の変化に順応しにくくなります。
すると、
- 疲れが抜けない
- 眠い
- やる気が出ない
- 気分が不安定になる
といった不調が現れやすくなります。
東洋医学では、これを「陰陽のバランスが乱れている状態」と考えます。
秋は「肺」をいたわる季節
五行論では、秋は「肺」と関係が深い季節です。

東洋医学でいう肺は、呼吸だけではなく、
- 気(エネルギー)を全身に巡らせる
- 皮膚を守る
- 外邪(風邪など)から体を守る
といった役割を担っています。
秋は空気が乾燥し始めるため、肺に負担がかかりやすい時期です。
その結果、
- 風邪をひきやすい
- 咳が出やすい
- 肌が乾燥する
- 便秘になりやすい
といった症状が現れることもあります。
秋分の日の頃におすすめの養生法
朝日を浴びる
日照不足はセロトニンの低下につながります。
朝起きたらまずカーテンを開け、ベランダに出るなどして太陽の光を浴びましょう。
体内時計がリセットされ、自律神経のスイッチがスムーズに切り替わります。
夜はゆっくり過ごす
秋は体が休息を求める季節。
東洋医学では、秋は「静かに過ごし、体を保温すること」が大切とされます。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体を温め、夜はスマホやパソコンから離れて、心と体をリラックスした「陰」へと誘導してあげましょう。
無理に活動量を増やすよりも、少し早めの就寝を意識することが大切です。
自分を責めない
東洋医学では、季節に合わせて体が変化することは自然なことと考えます。
秋分の時期に眠かったりやる気が出なかったりするのは、体が季節のグラデーションに適応しようと頑張っているから。
季節の変化に敏感な方ほど、この時期の影響を受けやすい傾向があります。
「なんだか動けないな」と思ったら無理をせず、睡眠時間をいつもより30分増やすなど、体を休めることを優先してください。
まとめ
秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになるだけでなく、自然界のエネルギーが大きく切り替わる節目です。
科学的には日照時間の変化や寒暖差によって自律神経が影響を受けやすくなり、眠気やだるさ、気分の落ち込みなどが現れることがあります。
また東洋医学では、夏の「陽」から秋冬の「陰」へ移行する転換点と考えられています。
もし秋分の日の頃に体調が優れない場合は、「自分が弱いから」ではなく、体が季節に適応しようとしている途中なのかもしれません。
自然のリズムに合わせて生活を整え、無理をしすぎず、少し休息を意識することも大切です。
鍼灸では、自律神経のバランスを整えながら、秋の不調の背景にある体質にもアプローチしていきます。季節の変わり目の不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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