秋になると寂しくなるのはなぜ?日照時間と心の関係を東洋医学と科学で解説
はじめに
暑さの厳しい夏が終わり、朝晩の風が少しずつ涼しくなってくる秋。
過ごしやすい季節のはずなのに、
- なんとなく気分が落ち込む
- やる気が出ない
- 理由もなく寂しくなる
- 人恋しく感じる
このような変化を感じたことはありませんか?
実は秋になると心の不調を感じる人は少なくありません。
その理由は単なる気のせいではなく、日照時間の変化による体の働きや、自律神経の変化が関係していると考えられています。
今回は「秋になると寂しくなる理由」について、科学的な視点と東洋医学的な視点の両方から解説していきます。
科学的に見る「秋になると寂しくなる理由」
日照時間が短くなる
秋になると最も大きく変化するのが日照時間です。
夏は朝早くから明るく、夜も遅くまで日が出ていますが、秋になると日の出は遅く、日の入りは早くなります。
私たちの体は思っている以上に太陽の光の影響を受けています。
特に朝の光は、
- 体内時計をリセットする
- 自律神経のリズムを整える
- 気分を安定させる
といった大切な役割を担っています。
そのため日照時間が短くなると、心や体のリズムにも影響が現れやすくなるのです。

幸せホルモン「セロトニン」の減少
太陽の光を浴びることで分泌が促される神経伝達物質に「セロトニン」があります。
セロトニンは、
- 気持ちを安定させる
- 不安を和らげる
- 意欲を保つ
などの働きがあることから、「幸せホルモン」と呼ばれることもあります。
ところが秋から冬にかけて日照時間が短くなると、セロトニンの分泌や働きが低下しやすくなります
その結果、
- 気分が沈む
- やる気が出ない
- 疲れやすい
- イライラする
といった症状が現れることがあります。
季節性感情障害(秋冬うつ)との関係
日照時間の減少によって起こる代表的な不調に「季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder:SAD)」があります。
一般的には「秋冬うつ」や「季節性うつ」と呼ばれることもあります。
主な症状は、
- 気分の落ち込み
- 強い眠気
- 食欲増加
- 甘いものが欲しくなる
- 集中力の低下
などです。
すべての人が病気になるわけではありませんが、「秋になると毎年なんとなく気分が落ち込む」という人は、季節の影響を受けている可能性があります。
体内時計の乱れ
私たちの体には約24時間周期で働く「体内時計」があります。
この体内時計は朝日を浴びることで調整されています。
しかし日照時間が短くなると、
- 朝起きづらい
- 夜眠れない
- 日中ぼんやりする
といったリズムの乱れが起こりやすくなります。
体内時計の乱れは自律神経の乱れにもつながるため、心身の不調を感じやすくなるのです。
東洋医学では秋は「肺」の季節
東洋医学では季節ごとに深く関係する臓腑があると考えます。
秋に対応するのは「肺」です。
ここでいう肺は、西洋医学でいう呼吸器だけを指しているわけではありません。
東洋医学の肺には、
- 呼吸を司る
- 気を全身に巡らせる
- 皮膚を守る
- 水分代謝を調整する
といった幅広い働きがあると考えられています。

東洋医学では、秋は空気が乾燥し始める季節であり、乾燥の影響を最も受けやすいのが肺だと考えられています。そのため秋は肺をいたわることが大切な季節とされています。
肺は「悲しみ」と関係する
東洋医学では五臓それぞれに感情が対応しています。
- 肝:怒り
- 心:喜び
- 脾:思い悩み
- 肺:悲しみ・憂い
- 腎:恐れ
秋に関係する肺は「悲しみ」や「憂い」と深い関係があります。

そのため秋になると、
- 昔のことを思い出す
- 感傷的になる
- 人恋しくなる
- なんとなく寂しい
といった感情が現れやすいと考えられています。
また逆に、悲しみやストレスが続くことで肺の働きが弱り、
- 咳
- 息切れ
- アレルギー症状
- 肌の乾燥
などが起こりやすくなるとも考えられています。
秋は乾燥によって肺が弱りやすい
秋は空気が乾燥し始める季節です。
東洋医学では肺は乾燥を嫌う臓腑とされています。
乾燥によって肺の働きが低下すると、
- のどの乾燥
- 空咳
- 鼻の乾燥
- 肌荒れ
- 便秘
などが起こりやすくなります。
乾燥によって肺の働きが低下すると、気を全身へ巡らせる力も弱くなり、気分の落ち込みや疲れを感じやすくなることがあります。
秋の心の不調を防ぐために
朝日を浴びる
科学的にも東洋医学的にもおすすめなのが朝日を浴びることです。
起床後にカーテンを開けたり、少し散歩をしたりするだけでも体内時計の調整に役立ちます。
深い呼吸を意識する
肺の働きを整えるためには呼吸が大切です。
忙しいと呼吸は浅くなりがちです。
ゆっくり息を吸い、ゆっくり吐くことを意識してみましょう。

白い食材を取り入れる
東洋医学では秋や肺に対応する色は「白」とされています。
- 大根
- れんこん
- 長ねぎ
- 山芋
- 梨
などは秋の養生によく用いられます。
乾燥対策にも役立つため、この時期は積極的に取り入れてみるのもよいでしょう。
まとめ
秋になると寂しくなるのは、決して気のせいではありません。
科学的には、日照時間の減少によるセロトニンの低下や体内時計の乱れが関係していると考えられています。
一方、東洋医学では秋は「肺」の季節であり、肺は「悲しみ」や「憂い」と関係すると考えられています。
季節の変化に合わせて心や体が揺らぐのは自然なことです。
「最近なんとなく気分が沈むな」「秋になると毎年調子が悪いな」と感じる方は、季節の影響を受けているのかもしれません。
朝日を浴びることや呼吸を整えること、秋の養生を意識することが、心と体を健やかに保つ第一歩になります。

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