【11月の健康だより】冬に向けてエネルギーを蓄える|冷えや疲れに負けない養生法
はじめに
11月に入り、朝晩の冷え込みが少しずつ強くなってきました。
暦の上ではまだ秋ですが、東洋医学では冬に向けた準備が始まる時期と考えます。
この時期に大切になるのが「腎(じん)」です。
腎というと腎臓を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、東洋医学でいう腎は、成長や発育、老化、生命力などに関わる働きを含む、もっと広い概念です。
昔から東洋医学では、「腎は精を蔵す(じんはせいをぞうす)」と考えられてきました。
ここでいう「精」とは、生命活動を支える大切なエネルギーのようなものです。
そのため腎は、
- 成長や発育
- 若々しさ
- 骨や歯の健康
- 耳の働き
- 足腰の力
などと深く関わると考えられています。

腎の働きが低下すると現れやすいサイン
東洋医学では、腎の働きが低下した状態を「腎虚(じんきょ)」と呼びます。腎虚になると、成長や老化、耳や足腰などに関わる働きが低下し、さまざまな不調が現れやすくなると考えられています。
例えば、
- 疲れやすい
- 足腰がだるい
- 冷えやすい
- 耳鳴り
- めまい
- 物忘れが増えたと感じる
などです。もちろん、これらの症状があるからといって必ず腎虚というわけではありません。
実際には生活習慣やストレス、加齢、ほかの身体の状態など、さまざまな要因が関係しています。
しかし東洋医学では、こうした身体からのサインを大切にします。「年齢のせいだから仕方がない」と考えるのではなく、身体からのサインとして受け止めてみることも大切です。
見た目だけではない、足腰の変化も大切なサイン
年齢を重ねると、
- 白髪が増える
- 肌の変化が気になる
など、見た目の変化に目が向きがちです。しかし実は、足腰の変化も年齢とともに現れやすい変化のひとつです。東洋医学では、足腰の力や骨の健康も腎と関係すると考えます。
当院でも、耳鳴りやめまい、疲労感などでご相談いただく方の中には、足腰の筋力が十分でない方をお見かけすることがあります。
もちろんすべての方に当てはまるわけではありませんが、東洋医学では足腰の状態も大切な判断材料の一つです。
そのため当院では、症状だけでなく普段の生活習慣や体力面についてもお話を伺うことがあります。

腎を養うためにおすすめの養生
足元を冷やさない
冬は首元や足首、手首などを冷やさないことが大切です。
特に足首は皮膚が薄く、冷えの影響を受けやすい場所です。
足先だけでなく足首まで覆う靴下やレッグウォーマーを活用してみましょう。

また、室内では平気でも、外出時に足元から冷えている方は少なくありません。
東洋医学では、冷えはさまざまな不調の原因になると考えられています。
お風呂はシャワーだけで済ませず、できるだけ湯船につかる習慣もおすすめです。
「冷えてから温める」のではなく、「冷やさない工夫をする」ことが大切です。
黒い食材を取り入れる
東洋医学の五行説では、「腎」は「黒」と関係しています。
そのため昔から、
- 黒豆
- 黒ごま
- のり
- わかめ
- ひじき
- きくらげ
などの黒い食材は、腎を養う食材として親しまれてきました。
もちろん黒い食材だけを食べればよいというわけではありません。大切なのは、毎日の食事の中に無理なく取り入れることです。
例えば、
- ご飯に黒ごまをかける
- 味噌汁にわかめを入れる
- 小鉢にひじきを添える
など、少し意識するだけでも続けやすくなります。
東洋医学には「薬食同源(やくしょくどうげん)」という考え方があります。毎日の食事も身体づくりの大切な一部です。
下半身を鍛える
当院では養生の一つとして、下半身の筋力づくりをおすすめすることがあります。
東洋医学の視点では、足腰を充実させることは腎を養うことにもつながると考えられています。
今すぐ大きな変化がなくても、将来の健康づくりのための大切な積み重ねになります。

まずは、
- 椅子から立ち座りを繰り返す
- スクワットを数回行う
- 階段を使う
- 少し遠回りして歩く
など、無理のない範囲で足腰を使う習慣をつくることが大切です。
筋力は一朝一夕では身につきません。しかし、毎日の積み重ねは将来の身体を支える力になります。
睡眠を大切にする
冬は日照時間が短くなり、身体も自然と休息を求める季節です。夜更かしが続くと、疲労が抜けにくくなったり、朝の目覚めがすっきりしなかったりすることがあります。東洋医学でも、睡眠は身体を回復させる大切な時間と考えます。
忙しい時期ほど、
- 寝る直前までスマートフォンを見ない
- 夜更かしを減らす
- 就寝時間をできるだけ一定にする
などを意識してみましょう。
十分な睡眠は、冬を元気に過ごすための大切な養生です。
冬はエネルギーを蓄える季節
東洋医学では、冬は頑張り続ける季節ではなく、春に向けてエネルギーを蓄える季節と考えます。
冷えが本格化する前の11月は、冬の養生を始める良いタイミングです。
足腰を大切にしながら、身体を温め、十分な休息をとり、冬を元気に過ごしていきましょう。
五臓、それぞれの詳細は
こちらから
最近、イライラしやすい/ため息が多い/目が疲れやすい
動悸・不安感・眠りが浅い・考えすぎて疲れる
食後に眠くなる/胃もたれ/だるさが抜けない
風邪をひきやすい/皮膚トラブル/呼吸が浅い
冷え・むくみ・疲れが取れない/年齢とともに不調が増えた

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