便秘と軟便を繰り返す人へ― 胃腸が弱い人が本当に見直すべきこと ―

「数日は出ないのに、急にゆるくなる」
「お腹が張って苦しいのに、突然下してしまう」

このような状態は、西洋医学では”過敏性腸症候群”と診断されることが多い症状です。
整腸剤や食事指導を受けても、なかなか安定しない。
それはもしかすると、“腸だけ”を見ているからかもしれません。

東洋医学では、単に“腸の問題”とは考えません。

東洋医学では、肺と大腸は表裏一体(ひょうりいったい)の関係にあります。

肺と腸?
一見、関係がなさそうに思えます。

五臓の色体表のポスターです。

けれど実は、

  • 呼吸の浅さ
  • ため息の多さ
  • 気分の落ち込み
  • 季節の変わり目に弱い

こうした状態が続くと、腸の働きも乱れやすくなります。

肺の本当の役割

東洋医学でいう「肺」は、単なる呼吸器ではありません。

「肺」は、

  • 不要なものを外へ出す
  • 全身に“気”を巡らせる
  • 水分代謝を調整する
  • 大腸の働きを助ける

という重要な役割を担っています。

肺の働きが弱ると、体は「出す力」を失います。

その結果、

  • 腸の動きが鈍くなり便秘
  • 水分調整が乱れ軟便

といった不安定さが出てきます。

東洋医学では、肺は「憂」という感情と関係しています。

悲しみ、心配、不安、喪失感。
こうした感情を長く抱えていると、自然と呼吸は浅くなります。

呼吸が浅くなる

肺の働きが弱る

大腸の動きが乱れる

腸は、心の状態を映し出す臓器でもあるのです。

肺は「調整役」です。
弱りすぎれば動きが鈍り、バランスを崩せば過敏になります。

そのため、止まりすぎれば便秘、動きすぎれば下痢、というように、腸が揺れ動く状態になります。

つまり、便秘と軟便を繰り返す方は「腸が弱い」のではなく、“整える力”が低下している状態といえます。

① 呼吸を整える

「肺」は呼吸によってその働きを保っています。
呼吸が浅くなると、気の巡りが滞り、大腸の動きも不安定になります。

東洋医学では、呼吸は全身の巡りを整える土台と考えます。

1日数回、深く吸ってゆっくり吐く。
たったこれだけでも、肺の働きは整い始めます。

呼吸は、最も手軽で効果的なセルフケアです。

② 体を冷やさない

肺も大腸も、冷えに弱い臓腑です。
体が冷えると、腸の働きは鈍くなります。

冷たい飲み物、生野菜中心の食事、下半身の冷え。
こうした習慣は腸を不安定にします。

腸を整えるためには、まず体を温める意識が欠かせません。
温かい食事、腹部や足首の保温を意識しましょう。

③ 甘いものの常習化

甘味の摂りすぎは体に「湿」を生みます。

湿が溜まると、

  • お腹の張り
  • 軟便
  • むくみ
  • 体の重だるさ

が出やすくなります。

“毎日のご褒美”が、腸を疲れさせていることも少なくありません。

④ 睡眠

「肺」は夜にしっかり休ませることが重要な臓腑です。
東洋医学では、睡眠は単なる「休息」ではありません。

眠っている間に、

  • 消耗した”気”を補う
  • 臓腑を回復させる
  • 自律神経のバランスを整える
  • 翌日の巡りを準備する

という大切な時間です。

腸を安定させたいのであれば、「何を食べるか」と同じくらい「どう眠るか」も重要なのです。

⑤ 手放すこと

肺は「取り入れる」と同時に「不要なものを手放す」働きを持っています。

便も、感情も、本来は溜め込むものではありません。
東洋医学では、ため込みすぎは巡りを乱すと考えます。
我慢や緊張が続いている方ほど、腸の乱れが強くなる傾向があります。

腸を安定させたいのであれば、抱え込みすぎないことも大切です。

空へ両手を伸ばしている女性

食事を整えても、生活を見直しても改善しない場合、体の巡りそのものが乱れている可能性があります。
慢性的なストレスや自律神経の乱れは、自分だけでは整えにくいものです。

当院では、

  • 肺の働き
  • 大腸の状態
  • 呼吸の質
  • 全身の巡り

を総合的に診て施術を行います。

「便秘を止める」「下痢を抑える」ことが目的ではありません。
なぜ腸が不安定になっているのか
その背景にある「出す力」と「巡らせる力」を整えることが、本当の改善につながると考えています。

便秘と軟便を繰り返す背景には、

  • 呼吸の浅さ
  • 感情の滞り(憂)
  • 冷え
  • 生活習慣

が重なっています。

腸は、体と心の状態を映す鏡です。

まずは毎日の習慣から。
そして必要であれば、体全体を整えること。

症状名ではなく、「あなたの体の状態」を見ること
そして、体の中で何が起きているのかを見極めることが、何より大切なのです。

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