左瞼が開けずらい・二重に見える(動眼神経麻痺・複視・眼瞼下垂)

これまでの経過
1週間前から左瞼が下がり、開けずらい。
視界が二重に見える。
脳のMRIでは異常は無し。
病院では動眼神経麻痺と診断された。
鍼灸院としての診断

動眼神経麻痺とは、脳梗塞などの脳血管障害や脳動脈瘤、脳腫瘍などにより動眼神経が障害され、
①目を動かす筋肉
②瞼を開け閉めする筋肉
③目の瞳孔を縮める筋肉
が動かなくなります。
動眼神経の障害部位により、症状は異なります。
今回の患者様は脳のMRIでは異常はありませんでした。
東洋医学では動眼神経麻痺は「肝」の働きを高めて改善します。
「肝」は「目」と関係が深く、内臓の弱りが目の症状として出現します。
ですので、「肝」の働きを良くする治療を行うと改善することが出来ます。
また、お顔には「胃」と「大腸」のツボが多く存在します。
ツボとツボを結び、エネルギーの気や栄養素の血などが通っている道を「経絡(けいらく)」といいますが、経絡の流れが悪くなると栄養している部分に影響が出てしまいます。
ですので、お顔の症状である動眼神経麻痺の場合、「胃」と「大腸」の経絡の流れを良くする必要もあります。
治療方針
①「肝」の働きを高める治療
②「胃」と「大腸」の経絡の流れを良くする治療
を行いました。
治療内容

・中封(ちゅうほう)
・肝兪(かんゆ)
・太衝(たいしょう)
など、肝のツボと
・扶突(ふとつ)
・肩髃(けんぐう)
・陥谷(かんこつ)
など胃と大腸のツボに鍼やお灸を行いました。
施術回数・頻度・期間
1週間に1回の治療と、自宅で動眼神経麻痺改善に関係するツボに毎日お灸をして頂きました。
2回の治療:見え方が良くなった気がする。
3回の治療:眼科医に回復傾向と言われた。
4回の治療:左瞼が開けやすくなった。徐々に回復している。
8回の治療:左瞼が開くようになり、見え方は疲れた時は少しだけ二重見えることがあるが、日常生活で問題無し。
治療終了。
施術後のケア
動眼神経麻痺の原因は脳が多いといわれていますが、今回の患者様のように脳には異常は無く、原因不明な場合もあります。
そういった場合は鍼灸治療で目と関係している肝の働きを高めると、改善することが多いので、お困りの方は鍼灸治療をご検討下さい。