薬を増やす前に知っておきたい、花粉症の根本原因。東洋医学と鍼灸が教える『バリア機能』の整え方
毎年やってくる花粉症。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ…。
「とりあえず薬を飲めば何とかなる」と思いながら、年々 薬の量が増えている、効きが悪くなってきたそんな方も多いのではないでしょうか。

今回は、
- 花粉症を東洋医学ではどのように考えるのか
- 鍼灸ではどんな治療を行うのか
- 薬との付き合い方をどう考えるのか
についてお話しします。
東洋医学で考える花粉症とは?
西洋医学では、花粉症は「花粉(アレルゲン)に対する免疫反応」として説明されます。
一方、東洋医学では「花粉そのもの」よりも「身体の状態」に注目します。
東洋医学において、花粉症は体内のエネルギーバランスとバリア機能の乱れとして捉えます。
花粉症=身体のバリア機能が弱っている状態
東洋医学では、花粉症は主に
- 肺(はい)
- 脾(ひ)
- 腎(じん)
といった臓腑のバランスの乱れと関係すると考えます。
特に重要なのが「肺の働き」と「衛気(えき)」です。
衛気とは、身体を外からの刺激(花粉・ウイルス・寒さなど)から守るバリアのようなエネルギー。この衛気が弱くなると、本来は防げるはずの花粉にも過剰に反応してしまいます。
つまり東洋医学的には、
花粉症は、「花粉が悪い」のではなく「花粉に過敏に反応してしまう身体の状態」
と捉えます。
花粉症と深く関係する臓腑
東洋医学では、特に次の3つが花粉症と関係すると考えます。
① 肺(はい)
肺は呼吸・鼻・皮膚・免疫と深く関係する臓腑です。
肺の働きが弱くなると、
- 鼻水が止まらない
- くしゃみが多い
- 鼻がムズムズする
といった症状が出やすくなります。
また肺は、身体のバリア機能である「衛気(えき)」を全身に巡らせる役割も担っています。
② 脾(ひ)
脾は、現代医学でいう胃腸・消化吸収にあたります。
脾の働きが弱ると、
- 余分な水分(湿)が体にたまりやすくなる
- 鼻水がサラサラではなく、だらだら続く
- 身体が重だるい
といった特徴が出ます。
冷たい飲食、甘いものの摂りすぎ、不規則な食生活は、脾を弱らせる原因になります。
③ 腎(じん)
腎は生命力・回復力・体力の土台と考えられています。
腎が弱ると、
- 毎年花粉症が悪化している
- 治りにくい
- 年齢とともに症状が重くなってきた
といった状態になりやすくなります。
「年々つらくなっている花粉症」は、腎の弱りが関係していることも少なくありません。
なぜ毎年ひどくなるのか?
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- ストレス
- 冷え
- 胃腸の疲れ
これらが積み重なることで、身体の回復力・調整力が落ちていきます。
すると、
- 以前は効いていた薬が効きにくくなる
- 錠数を増やさないと症状が抑えられない
- 薬をやめると一気に症状が出る
といった状態になりやすくなります。
薬を飲むことは悪いこと?

結論から言うと、薬を飲むこと自体は悪いことではありません。つらい症状を抑えるために、薬はとても大切な役割を果たします。ただし問題になるのは、
- 薬だけに頼り続けている
- 身体の状態は変わっていない
- 毎年同じ、またはそれ以上につらい
という状態です。
薬は「症状を抑える」もの。
東洋医学・鍼灸は「身体の状態を整える」もの。
役割が違います。
「薬が効かないから錠数を増やす」という行為は、東洋医学的に見ると少し注意が必要です。
- 乾燥と冷えの副作用
鼻水を止める薬は、体内の水分を乾燥させる作用があります。これが過剰になると、鼻の粘膜が乾燥して傷つき、さらに過敏になるという悪循環を招くことがあります。 - 「元気を補う」視点の欠如
薬は「抑える」力はありますが、減ってしまった「衛気(バリア)」を増やすことはできません。薬の量が増えているのは、体のバリア機能がさらに低下しているサインかもしれません。
鍼灸で行う花粉症治療とは?
鍼灸では、
- 鼻や目だけを治療する
- 花粉が飛んでいる時期だけ対処する
という考え方はあまりしません。
鍼灸治療の目的
- 花粉に過剰反応しない身体づくり
- 衛気を高める
- 内臓の働きを整える
- 自律神経のバランスを整える
これらを目的に治療を行います。
症状だけでなく、生活習慣・体質・疲れ方を含めて診ていきます。
鍼灸治療のタイミングは?
理想は花粉が飛ぶ前、または症状が軽いうち。
ですが、
- すでにつらい方
- 薬を飲んでも効きが悪い方
でも遅くはありません。
治療を続けることで、
- 症状が軽くなる
- 薬の量が減る
- 花粉の時期が楽になる
と感じる方も多くいらっしゃいます。
まとめ
- 花粉症は「身体の弱りのサイン」
- 薬は症状を抑えるためのもの
- 鍼灸は身体を整え、反応しにくくする治療
- 毎年つらい方ほど、身体のケアが大切
「薬を飲むか、鍼灸か」ではなく、自分の身体をどう整えていくか。その選択肢の一つとして、鍼灸治療を知っていただけたら嬉しいです。
自分の体質を知り、内側から整えることで、来年の春はもっと楽に迎えられるはずですよ。

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