東洋医学の根本には、あなたの身体を部分ではなく、自然界の一部として捉える壮大な思想があります。
ここでは、その中でも特に重要な3つの考え方をご紹介します。
東洋医学とは、そもそも
- 心と体のつながり
身体も心も、そして季節や環境も切り離さずに、すべてを関連づけて診ていきます。
病気は、体の特定の部分だけでなく、全身のバランスの乱れとして捉えます。 - 「未病」の重視
未病とは、病気として明確に症状が出る前の、「なんとなく調子が悪い」「まだ病気ではないけれど、健康でもない」状態を指します。
東洋医学は、この未病の段階、つまり検査数値に現れる前の「わずかな不調のサイン」を見つけ出し、本格的な病気になる前に治療・予防することを重視します。
東洋医学の基本的な考え方
① 陰陽論(いんようろん)
陰陽論とは、この世のすべてのものや現象は、相反する性質を持った「陰(いん)」と「陽(よう)」の二つの力で成り立っている、という考え方です。

健康な状態とは、この陰と陽の力が、綱引きのように互いにバランスを取り合っている状態です。
どちらかの力が強くなりすぎたり(過剰)、弱くなりすぎたり(不足)して、バランスが崩れることが病気の原因だと考えます。
② 気・血・水(き・けつ・すい)
東洋医学では、生命活動を維持するために体内を巡る基本的な物質を「気・血・水」の三つに分けて考え、この3つのバランスと流れが整っている状態を「健康」と考えます。

| 要素 | 役割 | バランスが崩れた状態(病態) |
|---|---|---|
| 気(き) | エネルギー:生命活動の源となる活力。 | 気虚(ききょ):気が不足。疲れやすい、だるい。 気滞(きたい):気が滞る。イライラ、お腹の張り。 |
| 血(けつ) | 栄養物質:血液そのものと、それによって運ばれる栄養物質。 | 血虚(けっきょ):血が不足。貧血、めまい、肌の乾燥。 瘀血(おけつ):血が滞る。肩こり、生理痛、シミ。 |
| 水(すい) | 体液:血液以外の水分(リンパ液、消化液など)。 | 水滞(すいたい):水が滞る。むくみ、頭痛、めまい、下痢。 津液不足(しんえきふそく):水が不足。口や皮膚の乾燥。 |
③ 五行論(ごぎょうろん)
「五行論」は、自然界のあらゆる事象を「木・火・土・金・水」の五つの要素に分類し、これらの要素が互いに影響し合いながら変化・循環している、という考え方です。

五行は、人体の臓腑、季節、感情、味覚など、あらゆるものに対応付けられています。これにより、バラバラに見える症状や体質を体系的に理解することができます。

診断の例: 「春(木)に体調を崩しやすく、怒り(木)っぽい人は、肝(木)の機能に問題があるかもしれない」と捉え、肝を整える治療を行います。
東洋医学の治療は、「陰陽論」「気血水」「五行論」上記3つの基本概念に基づいて、それぞれのバランスを最適な状態に戻すことを目指します。
西洋医学とは
― 科学的根拠にもとづく医療―
西洋医学は、解剖学・生理学・薬理学など科学的根拠を基盤とした医療です。
病気の原因(細菌・ウイルス・炎症・構造的な問題など)を特定し、薬物療法・手術・検査などを用いて改善を図ります。
特に、急性症状や命に関わる状態に圧倒的に強く、現代医療の中心を担っています。
東洋医学と西洋医学の違い
| 視点 | 東洋医学 | 西洋医学 |
|---|---|---|
| 捉え方 | 全体をみる(体質・バランス) | 部分をみる(原因の特定) |
| 対応 | 未病ケア・慢性症状に強い | 急性症状・検査診断が得意 |
| アプローチ | 自然治癒力を高める | 病変・原因を直接取り除く |
| 診察 | 問診・触診・舌診・脈診など | 画像・血液検査等のデータ |
どちらが優れているという話ではなく、得意分野が異なる「補完し合う医療」です。
東洋医学の
メリット・デメリット
| 視点 | 東洋医学 | 西洋医学 |
|---|---|---|
| メリット | ・体質改善や慢性的な不調にアプローチできる ・副作用が比較的少ない ・心身のバランスを整える「予防医療」に向いている ・個々に合わせたオーダーメイド施術が可能 | ・急性症状・重度の疾患に強い ・科学的根拠が豊富 ・検査で病変を可視化できる ・安定した治療効果が見込みやすい |
| デメリット | ・即効性が出にくい場合がある ・効果の感じ方に個人差がある ・施術者の技術差が結果に影響する ・科学的データが不足している分野もある | ・慢性症状や原因不明の不調には限界があることも ・副作用のある薬も多い ・患部中心の治療で、体質改善は対象外になりがち |
東洋医学と西洋医学は
「どちらか」ではなく「どちらも」
最近では、世界的にも 統合医療(Integrative Medicine) が広まり、東洋医学と西洋医学を組み合わせて治療する動きが増えています。
たとえば
- 西洋医学で検査 → 東洋医学で体質改善
- 西洋医学での治療に加えて、鍼灸で痛みや副作用を軽減
- ストレスや自律神経のケアを東洋医学で補う
お互いの得意分野を活かすことで、より効果的なケアが可能になります。
当院が大切にしていること
東洋医学は、痛いところ・つらいところだけを切り取って治療するのではなく、その方の身体全体の状態を診ていく医療です。頭痛, 胃痛, 耳鳴りなど「部分」だけを診るのではなく、お身体全体の状態を把握することで、症状の真の根本原因を突き止め、アプローチしていきます。
「胃が痛いのに、睡眠や便通、寒がりかどうかなど、関係ないことまで聞かれる」と感じるかもしれません。
しかし、東洋医学ではそれらの情報すべてが、患者様の「体質」と「今の身体のバランス状態」を知るための手がかりとなります。すべての情報を総合的に組み合わせることで、あなただけの治療方針を組み立て、主訴(最もつらい症状)だけでなく、自覚のない小さな不調も含めた全身の改善を目指します。
当院では、西洋医学を否定する考え方はしていません。
検査をして
- 大きな病気がないことが分かった
- 数値として異常がないことが確認できた
これは、治療を進めるうえでとても重要な情報です。
西洋医学の検査で「異常がない」と言われたけれど、症状がつらいままの方に対して、東洋医学は身体の働きやバランスの乱れという視点からアプローチします。

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